お堂のあたりでは、4匹のネコがそこを縄張りとしている。マル・ヒメ・モモそしてミミ、あるいは他の人は他の呼び方をしているかもしれないが、「ネコお母さん」と当方の間では、そう呼んでいる。
ミミを除いてあとの三匹は血のつながりがある。いつの間にか姿を消してしまったナナというサビ猫の子供がマルとヒメ、ヒメの子供がモモというつながりなのである。そして実は、あのギャーとナナとの間にできた子がヒメ(マルはちがうかもしれない)なのである。つまり、ヒメはギャーの子供でもあり、モモは孫ということになる。
ギャーは、今ではかなり離れた東側の地域で暮らしているが、かつてはお堂のあたりを縄張りとしていて、その後転々と移動した渡りネコなのだ。
一番人慣れしているのはミミ、もともとは屋台のおばさんが飼っていたが、どういう事情だったのかは分からないが、ネコ好きのホームレスさんに引き取ってもらったそうだ。しかしもとからいたネコと折り合いが悪く、ホームレスさんのもとを去ってお堂のあたりにたどり着いたのだった。

