2014年12月28日

里見駅再訪そして子猫のこと

小湊鉄道の「里見駅」は、昨年_2014年の3月半ばから有人駅となった。それ以前、まだ無人駅だったころ、4年ほど前のことになろうか、その「里見駅」を訪れたことがある。無人のローカル駅の撮影が目的だったが、当方のウェブネームに拝借した(一字かえてあるが)のだから、一度は訪れておきたいということもその理由としてあった。

〔無人駅だったころの里見駅〕
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その日、たまたま子猫との出会いという僥倖があった。駅周辺を撮影しているときは姿が見えなかったが、駅に着いてから1時間あまり過ぎたころ、4匹の子猫が姿を現した。危害を加える人物ではないと見定めてくれたのだろうか、警戒心をほどいてホームで元気に遊びだした。格好の被写体が現れたものだから、時の経つのも忘れて夕闇が迫るまで子猫たちとともに過ごし、写真を撮り続けた。

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この子猫たちのことについては、かつて「里ふくろうの日乗」に記事を載せたことがある。以下、「里ふくろうの日乗」からその時のことを引用しておく。

ーーー(一部変更あり)
待合室に入っていく子ネコのあとを追っていくと、ベンチの下に置かれていた箱の中に入り、しばらくしてからまた外に出て、箱のまわりをうろついていた。子ネコたちは、どうやら捨て猫のようだった。たぶんその箱に入れられて、運ばれてきたのだろう。駅の待合室に置けば、誰かが拾っていってくれるかもしれないと思ってのことなのだろうか。

せめて食べ物でも与えておけば、命を長らえることができて、拾ってもらえるチャンスも増えるかもしれない。そう思って駅舎の周辺を見渡してみれば、少し離れたところに何かの店かと思われる構えの家が見つかった。商いをしているかどうかは分からないが、ともかく行ってみることにした。

ガラス戸を開けて中に入れば、陳列棚には種々雑多な日用品・食料品などが並んでいた。奥の方に声をかけると、少し間があってからお年寄りが出てきた。
「駅に子ネコがいるんですよ。エサになるような物、何かないでしょうか」
「かわいそうにねェ、誰かが捨てて行っちまったんだよ」
「やっぱり捨て猫ですか」
「水もなくなってたから、今朝あげといた」
店内を見まわすと、魚肉ソーセージが目に入り、それを買い求めることにした。
「どこから来なさった」
「佐倉から」
「佐倉からねェ、遠いねェ…ニラは食べなさるか」
そんなふうに突然たずねられてとまどったが、
「ええ、嫌いではないですよ」
と答えれば、
「さっき採ってきたニラがあるから、持って行きなさるか。採りたてだからおいしいよ」
と言って、ビニール袋に入っていたニラを、気前よくそのまま丸ごと手渡してくれた。
「フライパンで炒めて、そこにタマゴを落として食べるとおいしいよ」

食べる物を買ってきてくれることを察していたのだろうか、子ネコたちは待ちかねたように甘え声をもらした。魚肉ソーセージを与えると、うなり声をあげながら、ガツガツという音が聞こえてきそうな勢いで食べはじめた。そして食べ終わると、一ニャン前のネコがするように、おコンボで口のまわりをきれいにみがくのだった。

時刻は4時を過ぎ、陽はだいぶ西に傾いてきた。そろそろ4時9分発の列車が到着するはずだ。かわいそうだとは思うけれど、家に連れて帰るわけにもいかない。誰かが拾い育ててくれることを祈り、心を残しつつ里見駅をあとにするより仕方がなかった。
ーーー

子猫たちに魚肉ソーセージを買い与えたこと、店の人からニラをいただいたことは覚えていたが、店の人と交わした話の内容はすっかり忘れていた。たかだか4年目のことなのに…困ったことだ。

〔食後のひととき〕
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〔魚肉ソーセージを買い求めたお店〕
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〔いただいたニラ〕
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先日養老渓谷へ行く途次、有人化以後の様子を確かめるべく里見駅に立ち寄ってみた。その日は土曜日だったせいか、駅前には観光客の姿も見え、出店では野菜などを売っていた。ホームに入るには入場券を購入する必要があり、外側から構内の様子をうかがうだけにとどめておいた。

以前は駅舎側のホームだけが使用されていて、対面するホームはかなり古びた感じがあらわになっていた。線路は枯れ草に覆われ、なおいっそう鄙の駅の雰囲気を醸し出していたが、現在は整備されて下り電車専用のホームとして利用されてた。

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子猫たちに食べさせる物を買い求めた店は、まだ営業を続けているだろうか。店の前に立って中の様子をうかがおうとしていると、中から人が出てきた。あの時、ニラをくれたお年寄りだろうか。

以前、駅に捨てられた子猫がいたこと、その店で魚肉ソーセージを買い求めたことなどを話してみたが、こちらが期待した答えは帰ってこなかった。あの時と同じように、どこから来たのかと尋ねられたので、佐倉ら来てこれから養老温泉に向かうと告げると、道順を詳しく教えてくれた。

posted by 里実福太朗 at 23:00 | ■里ふくろう通信