年末のアメ横は、満員電車をはるかに超える混雑が大晦日まで続く。
昨年はわざわざ大晦日の暮れ方に行った。その時間帯であれば混雑の波が引いて、自由に歩き回って買い物ができるはず、さらに売れ残りの商品が投げ売り状態になっているかもしれない。
予想通り、7時近くにもなれば通りはかなり閑散としていた。ただ残念ながら、完売してもう終了している店も多かった。安くなっていればカニでも買っていこうと思っていたのに、その思惑が外れてしまった。
手ぶらで帰ることになりそうだと思いながら歩いていると、
「これで最後、安くしとくよ」
と声をかけられた。鋭い爪を持つ太いカニの足を買い求めたのはもちろんのこと、勇躍家に帰り、ビニール袋から取り出して確かめてみれば、太い足の中はスカスカだった。残りものに…いや、残り物は残り物だった。
去年はこんな失敗をしてしまったので、今年はもう少し早い時間に行ってみたが。それでも売り切れの店が出始めていた。まだ続いている人並みに流されながら歩いて行くと、店頭に並べられているカニの足が目に飛び込んできた。つけられている値段は、あらかじめスーパーで確認しておいた値段ほど、量は多そうだからお買い得とみた。念のため店のおじさんに、
「これおいくら?」
と訊ねてみれば、値下げしたようで表示価格より安い値段だった。問題は身が詰まっているかどうかだが、家に持ち帰ってから足を1本折って確かめてみたところ、まあ問題はなさそうだった。
2014年12月28日
里見駅再訪そして子猫のこと
小湊鉄道の「里見駅」は、昨年_2014年の3月半ばから有人駅となった。それ以前、まだ無人駅だったころ、4年ほど前のことになろうか、その「里見駅」を訪れたことがある。無人のローカル駅の撮影が目的だったが、当方のウェブネームに拝借した(一字かえてあるが)のだから、一度は訪れておきたいということもその理由としてあった。
その日、たまたま子猫との出会いという僥倖があった。駅周辺を撮影しているときは姿が見えなかったが、駅に着いてから1時間あまり過ぎたころ、4匹の子猫が姿を現した。危害を加える人物ではないと見定めてくれたのだろうか、警戒心をほどいてホームで元気に遊びだした。格好の被写体が現れたものだから、時の経つのも忘れて夕闇が迫るまで子猫たちとともに過ごし、写真を撮り続けた。
この子猫たちのことについては、かつて「里ふくろうの日乗」に記事を載せたことがある。以下、「里ふくろうの日乗」からその時のことを引用しておく。
ーーー(一部変更あり)
待合室に入っていく子ネコのあとを追っていくと、ベンチの下に置かれていた箱の中に入り、しばらくしてからまた外に出て、箱のまわりをうろついていた。子ネコたちは、どうやら捨て猫のようだった。たぶんその箱に入れられて、運ばれてきたのだろう。駅の待合室に置けば、誰かが拾っていってくれるかもしれないと思ってのことなのだろうか。
せめて食べ物でも与えておけば、命を長らえることができて、拾ってもらえるチャンスも増えるかもしれない。そう思って駅舎の周辺を見渡してみれば、少し離れたところに何かの店かと思われる構えの家が見つかった。商いをしているかどうかは分からないが、ともかく行ってみることにした。
ガラス戸を開けて中に入れば、陳列棚には種々雑多な日用品・食料品などが並んでいた。奥の方に声をかけると、少し間があってからお年寄りが出てきた。
「駅に子ネコがいるんですよ。エサになるような物、何かないでしょうか」
「かわいそうにねェ、誰かが捨てて行っちまったんだよ」
「やっぱり捨て猫ですか」
「水もなくなってたから、今朝あげといた」
店内を見まわすと、魚肉ソーセージが目に入り、それを買い求めることにした。
「どこから来なさった」
「佐倉から」
「佐倉からねェ、遠いねェ…ニラは食べなさるか」
そんなふうに突然たずねられてとまどったが、
「ええ、嫌いではないですよ」
と答えれば、
「さっき採ってきたニラがあるから、持って行きなさるか。採りたてだからおいしいよ」
と言って、ビニール袋に入っていたニラを、気前よくそのまま丸ごと手渡してくれた。
「フライパンで炒めて、そこにタマゴを落として食べるとおいしいよ」
食べる物を買ってきてくれることを察していたのだろうか、子ネコたちは待ちかねたように甘え声をもらした。魚肉ソーセージを与えると、うなり声をあげながら、ガツガツという音が聞こえてきそうな勢いで食べはじめた。そして食べ終わると、一ニャン前のネコがするように、おコンボで口のまわりをきれいにみがくのだった。
時刻は4時を過ぎ、陽はだいぶ西に傾いてきた。そろそろ4時9分発の列車が到着するはずだ。かわいそうだとは思うけれど、家に連れて帰るわけにもいかない。誰かが拾い育ててくれることを祈り、心を残しつつ里見駅をあとにするより仕方がなかった。
ーーー
子猫たちに魚肉ソーセージを買い与えたこと、店の人からニラをいただいたことは覚えていたが、店の人と交わした話の内容はすっかり忘れていた。たかだか4年目のことなのに…困ったことだ。
先日養老渓谷へ行く途次、有人化以後の様子を確かめるべく里見駅に立ち寄ってみた。その日は土曜日だったせいか、駅前には観光客の姿も見え、出店では野菜などを売っていた。ホームに入るには入場券を購入する必要があり、外側から構内の様子をうかがうだけにとどめておいた。
以前は駅舎側のホームだけが使用されていて、対面するホームはかなり古びた感じがあらわになっていた。線路は枯れ草に覆われ、なおいっそう鄙の駅の雰囲気を醸し出していたが、現在は整備されて下り電車専用のホームとして利用されてた。
![20141130-_B309772-640.jpg](http://sato296.sakura.ne.jp/sblo_files/296log/image/20141130-_B309772-640-thumbnail2.jpg)
子猫たちに食べさせる物を買い求めた店は、まだ営業を続けているだろうか。店の前に立って中の様子をうかがおうとしていると、中から人が出てきた。あの時、ニラをくれたお年寄りだろうか。
以前、駅に捨てられた子猫がいたこと、その店で魚肉ソーセージを買い求めたことなどを話してみたが、こちらが期待した答えは帰ってこなかった。あの時と同じように、どこから来たのかと尋ねられたので、佐倉ら来てこれから養老温泉に向かうと告げると、道順を詳しく教えてくれた。
その日、たまたま子猫との出会いという僥倖があった。駅周辺を撮影しているときは姿が見えなかったが、駅に着いてから1時間あまり過ぎたころ、4匹の子猫が姿を現した。危害を加える人物ではないと見定めてくれたのだろうか、警戒心をほどいてホームで元気に遊びだした。格好の被写体が現れたものだから、時の経つのも忘れて夕闇が迫るまで子猫たちとともに過ごし、写真を撮り続けた。
この子猫たちのことについては、かつて「里ふくろうの日乗」に記事を載せたことがある。以下、「里ふくろうの日乗」からその時のことを引用しておく。
ーーー(一部変更あり)
待合室に入っていく子ネコのあとを追っていくと、ベンチの下に置かれていた箱の中に入り、しばらくしてからまた外に出て、箱のまわりをうろついていた。子ネコたちは、どうやら捨て猫のようだった。たぶんその箱に入れられて、運ばれてきたのだろう。駅の待合室に置けば、誰かが拾っていってくれるかもしれないと思ってのことなのだろうか。
せめて食べ物でも与えておけば、命を長らえることができて、拾ってもらえるチャンスも増えるかもしれない。そう思って駅舎の周辺を見渡してみれば、少し離れたところに何かの店かと思われる構えの家が見つかった。商いをしているかどうかは分からないが、ともかく行ってみることにした。
ガラス戸を開けて中に入れば、陳列棚には種々雑多な日用品・食料品などが並んでいた。奥の方に声をかけると、少し間があってからお年寄りが出てきた。
「駅に子ネコがいるんですよ。エサになるような物、何かないでしょうか」
「かわいそうにねェ、誰かが捨てて行っちまったんだよ」
「やっぱり捨て猫ですか」
「水もなくなってたから、今朝あげといた」
店内を見まわすと、魚肉ソーセージが目に入り、それを買い求めることにした。
「どこから来なさった」
「佐倉から」
「佐倉からねェ、遠いねェ…ニラは食べなさるか」
そんなふうに突然たずねられてとまどったが、
「ええ、嫌いではないですよ」
と答えれば、
「さっき採ってきたニラがあるから、持って行きなさるか。採りたてだからおいしいよ」
と言って、ビニール袋に入っていたニラを、気前よくそのまま丸ごと手渡してくれた。
「フライパンで炒めて、そこにタマゴを落として食べるとおいしいよ」
食べる物を買ってきてくれることを察していたのだろうか、子ネコたちは待ちかねたように甘え声をもらした。魚肉ソーセージを与えると、うなり声をあげながら、ガツガツという音が聞こえてきそうな勢いで食べはじめた。そして食べ終わると、一ニャン前のネコがするように、おコンボで口のまわりをきれいにみがくのだった。
時刻は4時を過ぎ、陽はだいぶ西に傾いてきた。そろそろ4時9分発の列車が到着するはずだ。かわいそうだとは思うけれど、家に連れて帰るわけにもいかない。誰かが拾い育ててくれることを祈り、心を残しつつ里見駅をあとにするより仕方がなかった。
ーーー
子猫たちに魚肉ソーセージを買い与えたこと、店の人からニラをいただいたことは覚えていたが、店の人と交わした話の内容はすっかり忘れていた。たかだか4年目のことなのに…困ったことだ。
先日養老渓谷へ行く途次、有人化以後の様子を確かめるべく里見駅に立ち寄ってみた。その日は土曜日だったせいか、駅前には観光客の姿も見え、出店では野菜などを売っていた。ホームに入るには入場券を購入する必要があり、外側から構内の様子をうかがうだけにとどめておいた。
以前は駅舎側のホームだけが使用されていて、対面するホームはかなり古びた感じがあらわになっていた。線路は枯れ草に覆われ、なおいっそう鄙の駅の雰囲気を醸し出していたが、現在は整備されて下り電車専用のホームとして利用されてた。
![20141130-_B309766-640.jpg](http://sato296.sakura.ne.jp/sblo_files/296log/image/20141130-_B309766-640-thumbnail2.jpg)
![20141130-_B309772-640.jpg](http://sato296.sakura.ne.jp/sblo_files/296log/image/20141130-_B309772-640-thumbnail2.jpg)
子猫たちに食べさせる物を買い求めた店は、まだ営業を続けているだろうか。店の前に立って中の様子をうかがおうとしていると、中から人が出てきた。あの時、ニラをくれたお年寄りだろうか。
以前、駅に捨てられた子猫がいたこと、その店で魚肉ソーセージを買い求めたことなどを話してみたが、こちらが期待した答えは帰ってこなかった。あの時と同じように、どこから来たのかと尋ねられたので、佐倉ら来てこれから養老温泉に向かうと告げると、道順を詳しく教えてくれた。
posted by 里実福太朗 at 23:00
| ■里ふくろう通信
2014年12月24日
あの騒動後の東京駅
坂崎幸之助書写真展が開催されているIsland Galleryは、東京駅八重洲口から徒歩5分ほどのところにある。東京駅に降り立つのは久しぶりのことなので、その帰途、開業100周年を迎えた駅舎を見るために丸の内方面にまわってみた。つい先日、「東京駅開業100周年記念Suica」の発売で大混乱を招いたあの場所である。
駅前はまた何かの工事をしているようで、御幸通りから遠望するとその工事用のフェンスが駅舎の下部を遮ってしまう。
フェンスの間に設けられた歩行者用の狭い通路を通って、丸の内中央口前に出る。その辺りは撮影スポットになっていて、煉瓦造りの駅舎を背景にして記念写真を撮る人が数多く見受けられた。
24日・28日には「東京ミチテラス2014」の開催が予定されているそうだが、再び大混乱を招くことにならなければよいのだが。
駅前はまた何かの工事をしているようで、御幸通りから遠望するとその工事用のフェンスが駅舎の下部を遮ってしまう。
フェンスの間に設けられた歩行者用の狭い通路を通って、丸の内中央口前に出る。その辺りは撮影スポットになっていて、煉瓦造りの駅舎を背景にして記念写真を撮る人が数多く見受けられた。
24日・28日には「東京ミチテラス2014」の開催が予定されているそうだが、再び大混乱を招くことにならなければよいのだが。
posted by 里実福太朗 at 01:41
| ■里ふくろう通信
2014年12月23日
坂崎幸之助書写真展 /けっこう毛だらけ猫だらけ
「THE ALFEE」のメンバーである坂崎幸之助さんの猫写真と書の展覧会。飼い主のいない猫を保護して、里親を見つけることに尽力したり、また引き取り手のいない猫はそのまま坂崎家で預かったりしているそうた。この写真展では、そういった不幸なホームレス猫たちの細やかな表情を撮った写真と、それに添えた短文の書が展示されている。
なお、この書写真展が開催されていること知ったのは、落語家_林家ほたるさんのブログだった。ほたるさんは、「THE ALFEE」のファンであるそうだ。
なお、この書写真展が開催されていること知ったのは、落語家_林家ほたるさんのブログだった。ほたるさんは、「THE ALFEE」のファンであるそうだ。
posted by 里実福太朗 at 23:00
| ■里ふくろう通信
2014年12月03日
東京ドイツ村の大瀑布
昨夜来から降り続いていた雨が、午後になってやっと止んだが、いつ降り出してもいいような空模様だった。そのまま不安定な天気が続き、夜には大荒れになるという予報もある。
養老渓谷からの帰途、東京ドイツ村に立ち寄ってイルミネーションを見ようかどうか算段しているうちに、ドイツ村に着いてしまった。夫人は、天気予報ではドイツ村周辺だけは、晴れの予報になっていたと言うが、そんなことがほんとうにあるのだろうか。入場ゲートの受付嬢に、
「今夜はイルミネーションの点灯はありますか」
と尋ねると、「ある」と言うので、意を決して入ることにした。
昼食をとったり、小さな動物園でミニブタの散歩や餌やりを見たり、ヤギに手ずから餌をやったりしているうちに、以外と退屈せずに点灯時刻の4時をむかえた。
その頃になると、続々と大型バスがやってきて、駐車場はバスの列でどんどん埋め尽くされていった。去年まではこれほどまでに多くはなかったが、今年は多くのツアーが観光コースに取り入れて、いっきに来村者が増えたのだろうか。
空模様がおかしくなってきた。黒い雲がかなりの早さで上空を進んでくる。風が北風に変わった。空が黒い雲で覆い尽くされた。冷たい風が強まってくる。予報通りだ。嵐に襲われることを覚悟した。しかし、雨はいっこうに降り出さない。夫人が言うように晴とまではいかなかったが、雨粒が一滴も落ちてこないまま嵐は通り過ぎてしまったようだった。
イルミネーションの配置は、観覧車から見たときにある図柄が浮かび上がってくるように工夫されている。去年はピラミッドだった。高所から見ると、ピラミッドが立体的に見えた。今年も観覧車に乗って見渡してみたが、何が描かれているのかよく分からなかった。
家でその時撮った写真を現像してみて、初めて分かった。大きな滝だったのだ。地上で見たときにボートがあることは分かっていたが、そのボートは滝へと注ぐ川に浮かんでいたのだ。恐ろしいことに、滝壺へと落ちていくボートまであった。
養老渓谷からの帰途、東京ドイツ村に立ち寄ってイルミネーションを見ようかどうか算段しているうちに、ドイツ村に着いてしまった。夫人は、天気予報ではドイツ村周辺だけは、晴れの予報になっていたと言うが、そんなことがほんとうにあるのだろうか。入場ゲートの受付嬢に、
「今夜はイルミネーションの点灯はありますか」
と尋ねると、「ある」と言うので、意を決して入ることにした。
昼食をとったり、小さな動物園でミニブタの散歩や餌やりを見たり、ヤギに手ずから餌をやったりしているうちに、以外と退屈せずに点灯時刻の4時をむかえた。
その頃になると、続々と大型バスがやってきて、駐車場はバスの列でどんどん埋め尽くされていった。去年まではこれほどまでに多くはなかったが、今年は多くのツアーが観光コースに取り入れて、いっきに来村者が増えたのだろうか。
空模様がおかしくなってきた。黒い雲がかなりの早さで上空を進んでくる。風が北風に変わった。空が黒い雲で覆い尽くされた。冷たい風が強まってくる。予報通りだ。嵐に襲われることを覚悟した。しかし、雨はいっこうに降り出さない。夫人が言うように晴とまではいかなかったが、雨粒が一滴も落ちてこないまま嵐は通り過ぎてしまったようだった。
イルミネーションの配置は、観覧車から見たときにある図柄が浮かび上がってくるように工夫されている。去年はピラミッドだった。高所から見ると、ピラミッドが立体的に見えた。今年も観覧車に乗って見渡してみたが、何が描かれているのかよく分からなかった。
家でその時撮った写真を現像してみて、初めて分かった。大きな滝だったのだ。地上で見たときにボートがあることは分かっていたが、そのボートは滝へと注ぐ川に浮かんでいたのだ。恐ろしいことに、滝壺へと落ちていくボートまであった。
posted by 里実福太朗 at 23:50
| ■里ふくろう通信
2014年12月02日
ふなっしーも紅葉狩り
関東の紅葉狩りの季節はそろそろ終わりを迎えそうな気配だが、養老渓谷の紅葉はまだ見ごろの状態を保っていてくれた。関東で最も遅く紅葉の季節を迎えるということを知ってか知らずか、養老渓谷周辺の道路は夕方近くまで渋滞が続き、駐車場もほとんどが満車の表示を出していた。
養老温泉で一泊して黒湯につかり、翌日は粟又の滝(高滝、養老の滝)周辺を散策しようという心づもりであったが、残念ながら朝から雨だった。宿の人に訊けば、この雨降りでは滝の辺りまで下りて行くのは危険が伴う、道路脇の高台に設けられた展望場所から滝を見ることは可能であると教えてくれた。
宿から車で10分ほどのその場所には、車10台ほどの駐車スペースがあった。すでに2台のマイクロバスが駐車していて、雨の中十数人の集団が何やら打ち合わせをしていた。
マウンテンパーカーを着込んで、カメラに防滴レンズをつけ、展望台から粟又の滝の撮影をした。車に戻り雨に濡れたカメラを拭いている時、
「ふなっしーだ」
の声に目を上げれば、前方に黄色い物体、こんな雨の日、こんな山奥で、まさかと思いつつも目をこらしてみれば確かにふなっしーだった。しばらくして、あの林先生、そしてタカ・トシが現れて収録が始まった。
せっかく紅葉狩りに来たのに、雨に降られて残念な思いをしているところだったけれど、生ふなっしーを見られるなんてよほどの僥倖、この時間この場所で出会うことなんて滅多になかろう。
養老温泉で一泊して黒湯につかり、翌日は粟又の滝(高滝、養老の滝)周辺を散策しようという心づもりであったが、残念ながら朝から雨だった。宿の人に訊けば、この雨降りでは滝の辺りまで下りて行くのは危険が伴う、道路脇の高台に設けられた展望場所から滝を見ることは可能であると教えてくれた。
宿から車で10分ほどのその場所には、車10台ほどの駐車スペースがあった。すでに2台のマイクロバスが駐車していて、雨の中十数人の集団が何やら打ち合わせをしていた。
マウンテンパーカーを着込んで、カメラに防滴レンズをつけ、展望台から粟又の滝の撮影をした。車に戻り雨に濡れたカメラを拭いている時、
「ふなっしーだ」
の声に目を上げれば、前方に黄色い物体、こんな雨の日、こんな山奥で、まさかと思いつつも目をこらしてみれば確かにふなっしーだった。しばらくして、あの林先生、そしてタカ・トシが現れて収録が始まった。
せっかく紅葉狩りに来たのに、雨に降られて残念な思いをしているところだったけれど、生ふなっしーを見られるなんてよほどの僥倖、この時間この場所で出会うことなんて滅多になかろう。
posted by 里実福太朗 at 23:50
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