2014年02月07日

宅配水販売代理店の脱税記事から消えた「原発」の文字

昨日(2014年2月6日)、宅配水販売代理店「キャリーウォーター」が、脱税容疑で国税局から告発されたという記事が、報道各社から配信された。ただし一部の新聞社は、今日になって記事を載せた。

〔2月6日掲載〕
●毎日新聞 2014年02月06日(15時00分)
「宅配水販売代理店:4400万円脱税容疑…東京国税局告発」

●朝日新聞DIGITAL (2014年2月6日11時36分)
「宅配水販売、4400万円脱税容疑 東京国税局が告発」

●MSN産経ニュース (2014.2.6 12:12)
「震災後に売り上げ急増、「宅配水」で4千万円脱税 営業代行業者を告発 東京国税局」

〔2月7日掲載〕
●YOMIURI ONLINE (2014年2月7日13時29分)
「天然水代理店、4400万円を脱税…国税告発」

記事を掲載した日時は、3社は2月6日であるが、「読売」だけ一日遅れの7日となっている。

報道された内容はほぼ共通しているが、ある一点で大きく違っていた。その点を確かめるまえに、まず共通している点をまとめておくことにする。

告発対象:宅配水販売代理店「キャリーウォーター」と実質経営者の男性
隠した所得:1億5000万円
脱税額:約4400万円
時期:2012年3月期

ここで注意しておきたいのは、脱税時期が2012年3月期であることだ。東日本大震災が発生したのは、前年の2011年3月のことだった。その時、福島の原発からもれ出た放射性物質が、風にのって関東まで流れて来たのだった。その結果水道水が汚染され、飲用できない時期がしばらく続いた。ここ佐倉でも、乳幼児には適さない放射線量が検出され、赤ちゃんを抱える家庭ではミネラルウォーターの買い占めに走った。そのためスーパーなどでミネラルウォーターの品薄・欠品が相継いだ。

これを契機として飲料水への意識が高まり、ミネラルウォーター宅配業者の業績が大きく伸びることになった。脱税時期が2012年3月期であるということは、原発事故以降に伸びた収益を脱税したということだ。つまり、原発事故に起因する脱税事件だと言ってもよいだろう。この脱税事件に関する記事で、違うのはこの点の扱い方なのだ。

この点に関する上記四社の扱い方を確かめてみよう。
●毎日
〜『宅配水市場は東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の後に活況を呈しており、』〜
●朝日
〜『東日本大震災や原発事故を受けて飲料水への安全意識が高まり、』〜
●MSN産経
〜『同社は平成23年の東日本大震災後、家庭に水を届ける「宅配水」サービスの代理店契約で売り上げを伸ばして』〜
●YOMIURI
〜『首都圏のスーパーなどで、来店客を相手に販促活動を実施』〜

このように「YOMIURI ONLINE」は、記事の掲載が他社に遅れること1日、そして記事の中には『原発事故』も『東日本大震災』の文字もなかった。

ブログ「里ふくろうの日乗」の当時の記事に、放射性物質による水道水汚染に関するものがあるので、それらの記事の中からいくつかを抜粋して以下に示しておく。

2011年03月23日
【佐倉市水道水中の放射性物質について】
この記事では、葛飾区の金町浄水場で採取した水道水から放射性ヨウ素が検出されたことにもふれている。

2011年03月24日
千葉県水道局水道水における放射線量の測定結果について(平成23年3月24日)

2011年03月24日
佐倉市「水道水の乳児の飲用について(3/24)」
佐倉市「水道水の乳児の飲用について(3/24)」の更新情報

2011年03月25日
地震発生から2週間後の変化

posted by 里実福太朗 at 23:51 | ■里ふくろう通信